「時が止まった部屋」という本を読んでみました。
内容はこんな感じです。
孤独死、ごみ屋敷、残されたペ ットたち――故人の部屋を片づけ、弔いつづける27歳の遺品整理人が、依頼現場をミニチュアで再現。死と向きあってきたからこそ伝え たい想いを初書籍化。
母が脳内出血をして自宅介護がスタートしてからと言うもの、狭くて物が多い実家をどうにかしたい。少しでも車いすが移動できるスペースを広げたい!そんな思いから実家の片づけをスタート。
正常な判断が出来なくなってる母は、父が使えない(=誰も使わない)圧力鍋なども処分したくない様子で、断舎離が全然進みません。
それでも少しずつ整理していくと、押し入れの奥から祖母の写真や衣類なども出てきました。母が整理をせずにまとめて突っ込んでいたようなんです。
それを一緒に整理しながら、若いころの祖母や元気な時の母の写真を見ながらいろんなことを考えたんですよね。
そんなことがあってから、何かのきっかけで知った遺品整理人である小島美羽さんの本と出会い、ちょろっと読んでみることにしました。
ちょろっと読んでみる・・・と、ほんの軽い気持ちだったけど、読み進めるうちに何とも言えない気持ちになりました。
孤独死の現場のミニチュア模型がとてもとても丁寧に作られていて、それがやけに胸に刺さってしまった。
現場の写真よりは生々しくないんだろうけど、ミニチュア模型ならではの何ともいけない物悲しさがある。
孤独死ってこんな感じなんだ。死後発見されるのが遅いとこんな風になるんだ。特殊清掃ってこんなに大変なんだ・・・。遺族の気持ちもいろいろ。
孤独死の現実をミニチュア写真と文章で淡々と語りかけていく。想像もしてなかった世界がありました。
びっくりしたのが知り合いを装った赤の他人が故人の金目の物を持っていこうとする行為。孤独死現場の全体の80%にもなると書いてある。
著者は、
この仕事をしていてつらいと思うのは、汚物でも激臭でも虫でもない。
こんなふうに人間の「裏の顔」が垣間見える瞬間だ。
こう書いてありました。
普通の感覚じゃ考えられない人も、世の中にはたくさんいるってことですね。
孤独死・・・ゾッとするけど自分も老後はどうなるか分からない。
一人暮らし老人が増えてる現在、この仕事も増える一方なんだろうな。
あと大事な事として、この遺品整理人の仕事っぷりはそれこそピンキリらしく、心無い業者に頼んでしまわないように気を付けた方がいいようです。
著者の小島美優さんの遺品整理人としても仕事っぷりが情に溢れていてとてもいい。大変な仕事なのにまだ20代しかも女性でこの仕事を続けているなんて本当にすごいことだと思う。
孤独死した本人や、させてしまった家族は辛いと思うけど、せめて最後は小島さんのような遺品整理人に出会えて愛着のある住んでいた部屋ごと供養してもらえたら少しは救われるのかなって思いました。
いろいろ考えさせられる内容でしたよ。
興味がある人は一度読んでおくといいと思います。
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